研究課題
本研究では、複数の視覚センサから成る小規模なセンサネットワークをセンシングユニットとし、上位のセンサネットワークにおけるセンサノードと見なした階層構造のセンサネットワークにより、人物同定空間を構築する。センシングユニットでは、画像から得られる低レベル情報をセンサ相互で密に通信し融合してユニット内での人物追跡・同定を実現しながら、センサノードとして対象人物に関する冗長かつ有意義な情報を収集する。さらに、センシングユニットのネットワーク化による、人物同定および広域での人物経路情報の獲得が可能な空間の構成法に関する知見を得ることを目指す。平成18年度は、人物同定空間を構成するセンサネットワーク中のセンサノードとして働く、複数視覚センサからなるセンシングユニットに関して研究を行なった。他のセンシングユニットとの協調を考慮して、人物同定・追跡といった、センシングユニット内でのタスクを実現するためのアルゴリズムの実装および評価を行なった。色情報を用いて、センシングユニットを構成する視覚センサ間での人物同定手法について検討した。特に、人物を構成する複数のカラーヒストグラムの固有値を用いた手法により、カメラ間の人物のマッチングの実現可能性について示した。また、人物の色情報はカメラ画像上での追跡および位置同定にも使用可能である。人物追跡の安定性を保った上で人物のカラーモデルを簡略化することは、視覚センサ単体における処理の高速化に直接影響を与えるため、複数の人物の追跡および同定へ対応する上で有効である。本研究では、MeanShiftアルゴリズムによる物体追跡におけるカラーモデルの構成法に関して注目し、カラーモデルの簡略化と追跡性能の変化の関係についての検討を行なった。
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