研究概要 |
本研究では, (1)複数信号光の同時検出, (2)高速検出, (3)高精度検出, および(4)背景光補償による高信頼性の4つの要求を同時実現する新たなポジションセンサの開発を目的とした.最終年度にあたる本年度は, 主に[1]外来光補償アルゴリズムのハードウェア化, [2]プロトタイプセンサシステムによる位置検出特性の検証を行った. [1]来光補償アルゴリズムのハードウェア化 ニューラルネットワークによる測定環境の学習は, 測定の前処理としてコンピュータ上でオフラインで行った.その後, 学習後の結合加重等のネットワーク構成をFPGAのメモリに格納し, ニューラルネットワークの前向き演算をハードウェア上で行った, これにより実際の計測はすべてハードウェア上で行われ, その処理も比較的単純なため高速処理が可能となった. [2]プロトタイプセンサシステムによる位置検出特性の検証 種々の環境条件で, プロトタイプシステムの精度や処理速度などを検証した.その結果, 外来光の存在する種々の環境下で光位置検出の誤差約1.5%を示した, また, サンプリング周波数は約20kHzとなり, 現在報告されている高速CMOSに匹敵する処理速度で光位置検出が可能であることを示した. 本センサの適用分野としては, 生産ラインにおける3次元外観検査や, 室内監視あるいは部品搬送用の自律移動ロボットの視覚などが挙げられる.
|