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2006 年度 実績報告書

発話運動の連続性と音声の離散性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18700193
研究機関株式会社国際電気通信基礎技術研究所

研究代表者

竹本 浩典  株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 認知情報学研究所, 研究員 (40374102)

キーワード声道形状 / フォルマント / MRI / 声道共鳴 / 母音
研究概要

本年度は、計画に従って以下の2つの研究を実施した。
まず、5母音生成時の声道形状の微小変動と音響変動の大きさを対応付けた。解析に用いたデータはMRIで計測した男女1名ずつの声道形状である。この声道形状から声道内の音響エネルギー分布を解析し、各母音の第1-4フォルマントの生成に主として関与する部位を特定した。この解析では、音響エネルギーの局在する部位がフォルマント生成に関与する部位であると特定できる。/e/では音響エネルギーが局在せず、一様管的であった。それ以外の母音では、第1フォルマントの生成には主として咽頭腔が関与し、前舌母音では狭め、円唇母音では口唇も関与した。第2フォルマントの生成には、前舌母音では咽頭腔,中・後舌母音では口腔、円唇母音では口唇も関与した。第3フォルマントの生成には、前舌母音では喉頭腔、中舌母音では咽頭腔上部、後舌母音では軟口蓋近辺が関与していた。第4フォルマントの生成には、ほとんど喉頭腔のみが関与していた。
次に、声門の開放に伴う声道共鳴の変化を検討した。全ての母音で、声門が開放すると喉頭腔自体の共鳴が弱まり、その共鳴が誘導するフォルマントは周波数が高まりながら弱まって消失した。第1フォルマントも同様の傾向を示した。声門面積が最大になると、声道は開管共鳴に近づいた。すなわち、一声門周期の間に、声道は閉管共鳴と開管共鳴とを往復し、喉頭腔の誘導するフォルマントは出現と消失を繰り返すことが明らかになった。
さらに、研究計画を前倒しして、子音も生成できる発話シミュレータを作成した。このシミュレータは時間領域で声道内の音響現象を扱うことができ、声道断面積関数と声門面積との時間変化を入力すれば、音声信号を時間波形として出力できる。このシミュレータを用いて、母音といくつかの子音を生成し、これらを含む短い単語を生成することに成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 声門開放時の声道共鳴特性2007

    • 著者名/発表者名
      竹本浩典, 北村達也, パーハム・モクタリ, 足立整治, 本多清志
    • 雑誌名

      信学技報 SP2006-165(2007-03)

      ページ: 31-36

  • [雑誌論文] Laryngeal cavity resonance and the fourth formant2006

    • 著者名/発表者名
      H.Takemoto, S.Adachi, T.Kitamura, P.Mokhtari, K.Honda
    • 雑誌名

      The 5th International Conference on Voice Physiology and Biomechanics

      ページ: 11-12

  • [雑誌論文] Changes in vocal tract resonance during a pitch cycle2006

    • 著者名/発表者名
      H.Takemoto, T.Kitamura
    • 雑誌名

      J. Acoust. Soc. Am. 120 (5)

      ページ: 3375

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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