研究課題
短周期での歩行軌道生成・更新を実現し、さらにオンラインでの各軌道生成を実際のロボットの運動状態を反映したものとするために、1)高速動力学計算システムの開発、2)短周期更新に適した軌道生成手法の開発、3)ロボットへの実装評価を行い、さらに、次年度に予定しているロボットの絶対空間に対する運動状態推定に用いるための4)姿勢角センサシステムの開発を行った。1.高速動力学計算システムの開発従来より開発してきた汎用逆動力学計算ルーチンを元に、特に歩行軌道生成を行うのに必要なZMP算出の高速化を行った。ベクトル演算命令の利用、動いていない関節を挟んだ2リンクの統合すによる計算省略等により、300回のZMP算出を要する軌道生成を10[ms]以下で実現(ZMP算出に要する時間は5[ms]以下)した。2.短周期更新に適した軌道生成手法の開発与えられた運動状態から目標移動(例えば着地位置や歩行周期)を実現する力学的安定な運動を力学モデルを用いて高速に生成する方法を開発し、最高で10[ms]周期での軌道生成・更新を実現した。また、胴部を加速するセンサフィードバック修正の結果から、生成した軌道の更新時(すなわち生成軌道の始点)での運動状態を推定する方法を開発した。3.ロボットへの実装評価開発した手法を等身大の人間型ロボットに実装し、足がはがれて転倒しないように胴部を加速し目標ZMPに実ZMPを近づける反射適応型のセンサーフィードバックを行う一方で、短周期での歩行軌道生成で長期的安定を確保し、歩行を継続できることを確認した。また、次年度計画である多種のセンサフィードバック開発の一部とすべく、水平段差への反射的適応とそこから安定な軌道生成についても確認した。4.姿勢各センサシステムの開発並進加速度計と角加速度計からなる絶対姿勢計測システムを構築し、歩行中の並進加速度、振動環境下での姿勢角推定法の開発を行った。
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日本ロボット学会誌 Vol.25, No.6(掲載予定)
Proceedings of 2006 IEEE-RAS International Conference on Humanoid Robots
ページ: 542-547