本研究課題は、感情を考慮した生活習慣病治療支援インタフェースシステムの構築を目的としており、既存の生活習慣病治療のための自己管理支援システム(わがままん(R)システム)内のコメント生成部に対して、患者の感情および心理状態を考慮した形でコメントやアドバイスを提示できるような手法を構築、実装することを目指している。特に、生活習慣病の自己管理達成に影響を与える感情の生起に注目し、快感情や自尊心など好影響を与える感情を高め、不安や油断など悪影響を与える感情を抑えるようなコメントを、患者の心理状態をもとに作成、提示することとしている。さらに、患者が生活習慣を改善することに対して快を感じるようにするため、患者の代理となるキャラクタを表示し、そのキャラクタに喜怒哀楽を表現させることとしている。 平成18年度には、まず、自己管理支援システムわがままん(R)のソフトウェアをリースにより導入した。次にわがままん(R)システムを実際に利用することで、従来のシステムにおけるコメント提示部や、従来のシステムの持つデータから患者の改善意欲を計算する手法について調査を行った。また、嗜好情報データベースの作成手法について、調査およびデータベースシステムの構築を行った。さらに患者の性格を考慮した感情の変化や感情に基づく改善意欲の変化についても研究をすすめ、国際会議(KES2006、IMECS2007)に投稿し、発表を行った。なお、国際会議(IMECS2007)において、本人が現地で研究発表を行う予定だったが、急病のため共同研究者に研究発表を交代してもらっている。
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