研究課題
平成18年度においては、これまで研究代表者が開発してきた、適応度差分によるリンケージ同定手法を発展させ、分布推定など新たな考え方を取り入れた手法の開発を行い、代表的なテスト関数を用いた数値実験により、その有効性を検証した。開発されたリンケージ同定アルゴリズムは、遺伝子の摂動による適応度変化量大きさに基づいた分類を行い、それら分類された部分集団から情報量の基準に基づいて、関連する遺伝子座を検出している。さらに、開発された適応度差分および分布推定に基づくリンケージ同定手法を階層型の問題向けに拡張することで、一般的かつ大規模な現実の問題に対する適用可能性を広げることに成功した。また、局所探索と組み合わせることにより、探索性能を向上させることに成功した。現実の問題への適用については、ネットワーク設計問題への適用を行い、従来の単純な遺伝的アルゴリズム、従来のリンケージ同定アルゴリズムを用いた遺伝的アルゴリズムに加えて、これまで最も優れた手法とみなされてきた分布推定に基づく高度な進化計算手法と比べても、優れた結果が得られた。さらに、開発されたアルゴリズムを、利用者が容易に設計問題へ適用できるような問題解決の枠組みについて研究を進めている。具体的には、グリッドコンピューティング環境下で、利用者がそれぞれの問題に対応して作成したシミュレーションプログラムと、本研究で開発している高度な最適化アルゴリズムとを組み合わせて、パラメータサーベイや、設計パラメータの最適化などが容易に行えるようなシステムの構築を目指している。以上、問題を自動的に分析するための、高度なリンケージ同定手法にもとづく進化的計算の開発、およびその現実問題への適用、問題解決システムの構築に向けた研究を行った。
すべて 2006
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