研究課題
平成20年度においては、開発した遺伝子解析による大規模並列進化計算を現実の並列計算機において実装し、その効果を検証した。具体的には、共有メモリ型のスーパーコンピュータである、HITACHI SR11000において、開発した遺伝子解析による進化計算アルゴリズムD5の大規模並列化を試み、milhon-bit級の超大規模テスト問題の最適解を得ることに成功した。さらに、最新の並列計算アーキテクチャの一つである、Cell Broadband Engine上にて、局所探索と遺伝的アルゴリズムを組み合わせた最適化エンジンを実装し、複雑な制約条件を有する経路探索問題の一つである、Capacitated Vehicle Routing Problem(CVRP)問題に適用して、従来型のCPUと比べて高い最適化性能を有することを検証した。また、グリッドコンピユーティングシステムにおける実装については、シミュレーションプログラムと連携して、現実の最適化問題を解くためのフレームワークを提案し、グリッドポータルとして利用者に最適化サービスを提供する、プロトタイプシステムを構築し、その有効性を検証することができた。開発したフレームワークの現実の問題への適用例として、創薬プロセスの自動化に必要となる、薬剤分子構造の最適設計問題の解決を試みた。そのため、分子動力学シミュレータと最適化のエンジンを組み合わせることで、自動的に有望な薬剤の構造を生成する枠組みを提案し、その有効性を検証した。
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