研究概要 |
平成19年度は、大量画像群に対する計算知能および画像処理の融合技術として、マックスプラス型ウェーブレット変換のハードウェア実装および、形式概念分析による可視化技術を提案した。 マックスプラス型ウェーブレット変換のハードウェア実装については、Xilinx社のFPGA実装用ツールISEFoundationを購入し、シミュレーションベースでの見積もりを行った。対象となるターゲットデバイスとして、Vertex・IIシリーズを採用し、結果として、512x512画素のグレースケール画像を、1秒間に約4,000枚処理できることが判明し、大量画像群に対する特徴量抽出のために有効であることを実証した。また、形式概念分析による可視化技術では、Core1 1000Aをはじめとする大量画像データベースに対し、適切な形に修正したインクリメンタルアルゴリズムを提案、さらに有用な画像特徴量を提案した。これらをプログラミング言語「Processing」を用いて実装した。さらに、この実装結果をマルチモニタシステムによってユーザに提示することで、大量データベース画像群の概要把握および興味深い知見の発見が容易になること示唆した。 これらの研究成果は、雑誌論文3編、招待講演2件、国際会議3件、および国内研究会8件にまとめられている。以上を要するに、平成19年度は、大量画像群の特徴抽出のための要素技術を実装およびシミュレーションを通じてその有効性を実証、また大量画像群をユーザが咀嚼しやすい形式に変換するアルゴリズムを提案しており、本研究の十分な成果が得られている。
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