研究概要 |
本研究は,コンピュータを利用する様々な場面で,ユーザの状況や特性に応じて,ユーザの手助けをする適応型ヘルプの実現を目標としている.その中で,平成18年度は,ユーザ特性に合った提案を行うための目標決定と,個人特性の構造化を目標とした.ユーザがワープロ作業を行っている状況において,ユーザの嗜好に関する特性に合わせた提案を行う手法について検討した. ユーザの好みを対話型進化計算によって求める際に,ニューラルネットワークの学習を取り入れることでユーザの負担を軽くすることを試みた.その際,学習過程において同じような解ばかりになる問題点が発生した.そこで,クラスタリングによる解候補の絞込みを行い,解候補とその他の解を親候補として更に進化を進める手法と,解候補の特徴を言葉で説明し,ユーザに再度評価を求める方法について検討し,仕様を確定した. ユーザとインストラクターの対話コーパスを分析した,ユーザの質問とインストラクターの回答の対話パターンを抽出し,対話プランをモデル化することを試みた.ユーザの質問に対してインストラクターは単に答えるだけでなく,質問におけるあいまいな部分を明らかにするための質問を行うことが多く,単純に質問/応答を行うだけでは不十分であることが分かった.そこで,質問におけるあいまいな部分を抽出し,あいまい性を解消するための質問を作成する方法について検討した.また,質問中の質問が終了した場合には,すみやかに前の質問に戻るために,質問の履歴を管理する手法について検討した.
|