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2006 年度 実績報告書

カオスとは異なる特異性を示すオンライン学習過程および適応制御過程の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18700226
研究機関公立はこだて未来大学

研究代表者

斉藤 朝輝  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 講師 (60344040)

キーワードカオス / ニューラルネット / フラクタル / 複雑系
研究概要

オンライン学習過程および適応制御過程の力学系的過程としての特徴を,一理論と実験の両面から明らかにすることを目的として研究を行っている.平成18年度は.単純なリカレントネットワークのオンライン学習過程および離散時間適応遅延フィードバック制御過程を対象に以下の研究を行った.
【1.力学系的特異性の検証】
(1)数値実験を行い,様々な低次元カオス写像を用いた離散時間適応遅延フィードバック制御系で,通常のカオスとは異なる特異な振舞い(強い非双曲性や制御時間分布のベキ関数的減衰などの‘中立的'振舞い)が現れることを明らかにした.
(2)同様に,幾つかの異なるニューロンモデルを用いた単純なリカレントネットワークのオンライン学習系でも,上記と同様の特異な振舞いが現れることを明らかにした.
【2.特異性を生みだす力学系的機構の解明】
(1)線形安定性解析を行い,力学系としての離散時適応延フィードバック制御系が,位相空間全域でヤコビ行列が固有値1を持つ特異な写像で表現されることを明らかにした.
(2)同様に,単純なリカレントニュートラルネットワークのオンライン学習系の一部も,上記のような特異な写像で表現されることを明らかにした.
(3)また,様々な低次元離散時間適応遅延フィードバック制御系で,パラメータの安定性境界への漸近がおこることを明らかにした.
結果として,【1】で得られた結果から,オンライン学習過程および適応制御過程では,通常のカオスとは異なる特異な力学系的振舞いが極めて普遍的に現れることがわかった.さらに.【2】の結果からは,そのような力学糸的特異性が現れる理由として,既に明らかになっているパラメータの安定性境界への漸近以外にも,ヤコビ行列の特異構造(‘中立的'固有値を位相空間全域で持つこと)があることが強く示唆された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Dynamical Singularities in Online Learning of Recurrent Neural Networks2007

    • 著者名/発表者名
      Asaki Saito, Makoto Taiji, Takashi Ikegami
    • 雑誌名

      Proc. of 2007 IEEE Symposium on Foundations of Computational Intelligence (採択)

  • [雑誌論文] Dynamical Singularities in Adaptive Delayed-Feedback Control Systems2006

    • 著者名/発表者名
      Asaki Saito, Keiji Konishi
    • 雑誌名

      Book of Abstracts, Dynamics Days Europe 2006

      ページ: 36

  • [雑誌論文] 適応遅延フィードバック制御系における力学系的特異性2006

    • 著者名/発表者名
      斉藤朝輝, 小西啓治
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告 NLP2006-43

      ページ: 55-58

  • [雑誌論文] 適応制御およびオンライン学習で現れる力学系的特異性2006

    • 著者名/発表者名
      斉藤朝輝
    • 雑誌名

      日本神経回路学会第16回全国大会講演論文集

      ページ: 174-175

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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