研究概要 |
研究の目的 本研究課題は非線形システム全般に対する解析・設計を容易に行うツールの開発を目指し, ツール開発のための理論構築を行う. 対象システムの解析では, 非線形システムを区分的非線形システムで表現したモデルを用い, 解析条件を改良することで, 計算機負荷の減少を図る. また制御系設計では, より計算機負荷を減少させるために効果的な非線形モデルの構築を行う. 加えてモデル化誤差を補償するロバスト性や最適性を考慮した制御器設計法を提案する. 提案手法の有効性を検討するために, カオス的な挙動を示すシステムや脳神経回路, 産業プラントの制御など, 現在, 解析・設計が困難な対象に適用する. 本年度の研究実施状況 安定解析や安定化を行う非線形システム(2次元システム)への適用は非線形性が強くない対象に対しては, 解の探索アルゴリズムを再考することで可能になった. しかし区分的非線形モデルの領域分割数を多くすると設計パラメータの増大によって, 制御系の設計は困難である. 3次元以上の非線形システムへの適用を行ったが, モデル化による設計パラメータの増大するため, 制御系設計は困難であった. 今後の展開 本研究における制御系設計に関する条件は双線形行列不等式であり, これまで一般的な解の導出アルゴリズムによる設計を行ってきたが, 本研究における双線形行列不等式は特徴的な構造を有するため, この性質を生かした解の導出アルゴリズムの開発を行っていく.
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