研究概要 |
本研究は, 人間の視覚系のように柔軟なパターン認識機械の実現を目指し, パターン全体が大きく変動する状況に対応可能なパターン認識(様々な向きの顔画像を受容可能な個人識別, 大幅な姿勢変化を許容する人体領域検出など)の手法を開発することが目的である. パターン認識手法としては, ニューラルネットやSupport Vector Machine等を用いる「例題からの学習」アプローチを採用し, 多層パーセプトロンの恒等写像学習やカーネル主成分分析等, 主成分分析によってデータの特徴をとらえた固有空間を抽出する方法をベースとしている. 平成20年度は, 前年度に続き「画像から抽出した特徴量を従来のようにベクトルとして扱うのではなく行列として扱うパターン認識手法」についての研究を行った. これは, ガボールフィルタの出力のような局所特徴量をならべた行列を構成し, これを識別器への入力とする手法である. 前年度にはこの手法を表情識別と歩行者検出に適用し, 高い識別率その他の興味深い結果を得ている. 今年度は, 動画像中の顔の追跡と顔の向きによらない個人識別への応用を試みた. データの準備のための研究補助者の手配がかなわず計画と経費の使途に軽微な変更は生じたものの, 上述のような目的に沿った成果を得つつある. 本テーマに関する研究は, 本研究課題の研究期間終了後も継続して行なう予定である.
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