研究概要 |
研究のための,基礎資料となる各種の人工衛星データや高解像度の航空写真GISデータなどを入手し,緑地や人口被覆,農地などの分布;建築物の抽出など,本解析の前段階となる諸処理を実施した.また,各種GISデータについては,人口や高齢化率などの,社会統計データを整理して,その広域的な分布状況を把握した.さらに,解析のためのプログラム作成やかかるプログラムをASTERに適用した. まず,人工衛星データについては,ハイペリオンのハイパースペクトルデータを入手してGIS上で演算できる状態に処理し,既知のデータとオーバーレイすることにより,土地被覆や土地利用ごとの各波長域の反射特性について概観した.さらに,航空写真については,京都の中心市街地のデータをGIS上に布置して,屋根材も含めた詳細な土地被覆状況を目視により入力し,後の最尤法などによる土地被覆分類のための基礎とした.この入力作業については,作業量が多いため今年度も継続して進める予定である. 社会統計データとしては関連する行政部局との連携の中で,町丁目字別の人口や年齢別人口データを入力し,それをGIS上に布置することにより,土地利用などとの相関について考察することにより,社会統計データと人工衛星データなどから得ることができる各種の物壇量とをあわせて考察するための方法論を確立するための知見を得た. また,解析プログラムについては,MoranのI統計量に基づく解析アルゴリズムを改良および精査し,任意のピクセルサイズの画像データに対して,自由に解析窓サイズを設定して,窓内のI値と分散などを算出するプログラムを作成した.このプログラムをASTERから得られた放射輝度より算出したNDVI分布に適用して,I統計量による表現される空間的自己相関の数学的特長について分散との比較を通してとりまとめた.
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