研究概要 |
本研究の目的は、ユビキス産業の知財戦略におけるパテント・トレードシクレット・マッピング分析の確立である。知的財産戦略を策定するために、特定の技術に対して、特許を取得するか、トレードシークレットにとどめるか決定する分析ツールである「パテント・トレードシークレット・マッピング」(Patent Trade-Secret Mapping)の手法を実現した。 情報産業、とりわけ、ユビキタス・ネットワークに関する「ユビキタス産業」において、特許のみで技術を保護することが困難になっている現実がある。現在の知財戦略は、技術的な視点から、パテントとトレードシークレットの権利化区別適用基準を明確化し、日本発の技術を保護する緊急の必要がある。 本研究は、上記の権利化区別適用基準を、「パテント・トレードシークレット・マッピング」、すなわち、トレード・シークレットを公開してしまう危険な特許取得を判断する基準を、フローチャート化して視覚的に明確化することを具体的な目的とした。本20年度は、前年度に確立した、情報家電産業における、パテント・トレードシークレット・マッピングをあてはめ、リーディング技術である組み込みソフトウェアに着目したパテント・トレードシークレット・ポートフォリオ分析を実施した(国際学会査読論文3件, その他に英文発刊図書中に、査読付採録論文3件あり)。ポートフォリオ構築については、リーディング技術の特許取得とトレードシークレット保持の現状について、ネットワーク上での情報調査を行い、ライセンス業務を支援する応用性の高い調査を実現した。
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