研究課題
平成20年度は研究完成年度にあたり、過去2年間の調査研究および研究発表の成果刊行が中心であった。同時に、更なる研究成果発表の年度でもあり、下記に記載する学会発表も行った。具体的には、15世紀以降のイギリス演劇を資料中心とした分析、および、古英語・中英語期の韻文資料の調査が予定通り終了し、英語という言語の通言語的情報連鎖の研究が可能となった。この点は、平成20年度用の研究実施計画がほぼ予定通り遂行できたことにより支持されうる。予想以上のユーロ高のため、ドイツでの学会発表を断念せざるをえなかったが、当該論文は国内専門誌での掲載が承諾済みである。研究の方向付けとしては以下の点が重要である。英語やヨーロッパ諸語だけではなく、非西欧語からの示唆も得ることができ、本研究の可能性を裏付けることができた。平成19年度は西アフリカ語の一つであるディダ語の語り資料から、そして、平成20年度は琉球沖縄語の史的資料から、情報連鎖機能について重要な示唆を得た。本研究の申請段階で、歴史英語研究から他言語研究への示唆、あるいは、英語とは系統発生的に異なる言語の分析から歴史英語研究への洞察可能性を提示していた。3年間の研究を通し、両側面を実証研究として提示することが可能となり、結果的として言語進化の深層部まで迫れたものと判断している。研究成果とは、研究実施計画終了後に如何に成果を纏め上げ、どのような評価を下されるかという時点までを含むものである。本研究は3年間の集中的調査研究の結果、研究書として刊行可能な質的量的成果を提示できたものと判断している。よって、出来るだけ早い段階で研究書として公開し、識者からの慧眼に触れつつ、今後の研究へ繋げてゆきたい。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (3件)
Studies in Modern English(『近代英語研究』) 25
ページ: 63-84
A Festschrift for Minoji Akimoto(仮題), Peter Lang. Berlin and New York (印刷中にて未定)
Subjectification, Intersubjectification, and Grammaticalization, Mouton de Gruyter, Berlin and New York (印刷中にて未定)
Japanese/Korean Linguistics 18(印刷中にて未定)
Languages across Time and Cultures, Linguistics Society of Hong Kong (印刷中にて未定)
日本認知言語学会(JCLA)論文集 9(印刷中にて未定)
Southern Review 23
ページ: 113-130
言語文化のクロスロード
ページ: 13-59
ページ: 133-158
第9回日本認知言語学会予稿集 9
ページ: 191-194