研究概要 |
実験計画法で用いられるブロック計画(block design)は、その組合せ構造や解析についてさまざまな研究がなされており、ディスク・アレイや暗号などの工学系分野にその応用が広がっている。 RAID(Redundant Arrays of Independent Disks)は、処理速度と安全性を高める技術であり、ディスクの読み込み・書き込みを複数のディスクで並列に行うことにより処理速度を高め、記憶すべきデータを格納したinformation diskの他にディスクの破損箇所の発見・修復のためのcheck diskと呼ばれる冗長性を持たせたディスクを用いることによって安全性を高めている。安全性を高めるためといってcheck diskを多くすると追加のコストが増えるので、安全性と追加コストのバランスを考えることが重要になってくる。本年度は、RAID6でのDataとParityの配置について研究を行った。 RSA暗号は、Rivest, Shamir, Adlemanにより1978年に考案された素因数分解の困難性に基づく公開鍵暗号であり、通信を行う際に一つのメッセージに注目すると、一人の送信者に対して受信者も一人となる。しかし、必ずしも一人対一人とは限らず、受信者が複数いる場合も存在する。その場合、鍵を分散させて復号化を行う必要がある。RSA分散復号とは、そのような分散復号環境においてRSA暗号を実現する方法である。本年度は、関連計画のRSA分散復号への応用についても研究を行った。
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