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2008 年度 実績報告書

因果推論のためのモデル開発および調査データへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 18700277
研究機関中央大学

研究代表者

酒折 文武  中央大学, 理工学部, 専任講師 (90386475)

キーワード因果分析 / 潜在クラスモデル / 反事実モデル / 傾向スコア / 局所独立性 / 調査データの補正
研究概要

本科研費の最終年度である2008度は以下のような内容で研究を遂行した。
(1)前年度までの成果を受け、共変量と目的変数間にも潜在因子を仮定した新しい2因子モデルについてその理論的な考察とシミュレーションを行った。傾向スコアモデルにおけるDoubly Robust推定量のような、共変量と目的変数の間あるいは共変量と割付変数の間のモデルのどちらかが正しい場合に割付効果の一致推定量が得られるという性質については今のところ明らかとなっていない。
(2)前年度までに提案したモデルでは共変量間にも局所独立性を仮定するためモデルの制約がきつく、それにより観測値に適合するクラス数は非常に大きいという弱点があった。それを補うため、共変量間に連関を許すモデルとして、共変量が連続な場合に対しては相関を持つ多変量混合正規分布と2値変数の同時分布、共変量が2値の場合に対しては多変量ベルヌーイ分布を用いることを検討した。前者のモデルにおいてはクラス間で相関行列を共通にする、混合主成分モデル等を用いるなど、パラメータに制約をおいた様々な部分モデルが考えられ、真のモデルと一致する適切なモデルを仮定した場合には因果効果の推定を適切に行うことができるが、誤ったモデルを用いると推定がうまくいかないことが分かった。したがって、どのモデルを用いるのが適切であるかについても新たに規準が必要である。また後者のモデルでは一般に必要なパラメータ数が多すぎることが明らかとなった。
(3)提案手法に関し、実際の調査データに対する応用を行った。
これらの研究成果については学会発表等を行っていないが、現在論文として取りまとめ中であり、完成し次第学会誌へ投稿予定である。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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