研究課題
我々はタカラバイオ社のSuper Smart cDNA PCR synthesis kitとAffymetrix社のOne cycle RNA labeling kitを組み合わせて行うことができる単一細胞マイクロアレイ法を開発した。この方法の再現性、信頼度を確かめるために、E18-P0のGAD67-GFPノックインマウスの大脳皮質よりGFP陽性細胞をセルソーターにより分離して得た1μgのtotalRNAからOne cycle RNA labeling kitでマイクロアレイ解析を行なった場合と、このtotalRNAを10万倍希釈してから我々が確立した方法で増幅を行なった場合の結果を比較したところ、希釈して増幅した場合は、約56%の遺伝子をPresent callとして検出することができた。この方法を用いて、10個のE18-P0のGAD67-GFPノックインマウスの大脳皮質の脳室下帯のGAD67陽性細胞の単一シングルセルマイクロアレイ解析を行ったところ、細胞ごとに異なった発現プロファイリングを得ることができた。この解析した細胞のDNA replication関連遺伝子群を調べたところ、1個の細胞において、たくさんのDNA replication関連遺伝子の発現を検出することができた。この細胞はDNA合成期にあったと考えられる。また、他の細胞においても、DNA replication関連遺伝子の一部の発現が認められたことから、この細胞はGO期にあってもまだ分裂能を秘めた細胞であった可能性が考えられる。これらの結果はGABAergic intermediate progenitorが脳室下帯に多く含まれていることを示唆している。
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