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2006 年度 実績報告書

神経細胞における極性輸送の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 18700323
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

松田 信爾  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60321816)

キーワードδ2グルタミン酸受容体 / シナプス / 神経細胞 / 樹状突起 / 軸索 / タンパク質輸送 / アダプタータンパク質 / アンチセンスRNA
研究概要

神経細胞は高度に分極した細胞であり、他の神経細胞から情報を受け取る樹状突起、他の細胞に情報を伝える軸索、そして核や細胞内器官の多くが存在する細胞体から成っている。樹状突起上には他の神経細胞の軸索末端が入力して、シナプスと呼ばれる構造が形成されている。このシナプスの樹状突起側の細胞膜(シナプス後膜)には多くの神経伝達物質受容体が存在し、効率的に神経細胞間の情報の伝達が行われている。神経伝達物質受容体の中でも、グルタミン酸受容体受容体は脊椎動物中枢神経系における興奮性の神経伝達の大部分を司っており、その細胞内輸送機構が盛んに研究されている。申請者はδ2型グルタミン酸受容体のシナプスでの局在に必須なアミノ酸配列を同定することに成功した(J.Biol.Chem.'06)。またこれとは別のアミノ酸配列に変異を導入するとδ2受容体の神経細胞内での樹状突起特異的輸送が障害を受け、樹状突起のみならず軸索にも輸送されるようになることを明らかにしている。またこのアミノ酸配列に結合するタンパク質の候補をひとつ同定している。この候補タンパク質(Protein X)は小胞輸送に関与するアダプタータンパク質の一種であり、このProtein XのアンチセンスRNAを海馬の培養神経細胞に導入することによりノックダウンし、樹状突起特異的タンパク質の細胞内分布に影響があるかを解析した。その結果このタンパク質をノックダウンした神経細胞においては通常、樹状突起のみに輸送されるタンパク質のうちのいくつかが軸索にも輸送されていることが明らかとなった。現在、このProtein Xの機能について詳細な研究を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] A New Motif Necessary and Sufficient for Stable Localization of the δ2 Glutamate Receptors at Postsynaptic Spines2006

    • 著者名/発表者名
      Shinji Matsuda, Keiko Matsuda, Michisuke Yuzaki
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 281

      ページ: 17501-17509

  • [雑誌論文] Characterization of the δ2 Glutamate Receptor-binding Protein Delphilin2006

    • 著者名/発表者名
      Keiko Matsuda, Shinji Matsuda, Clare M. Gladding, Michisuke Yuzaki
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 281

      ページ: 25577-25587

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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