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2006 年度 実績報告書

大脳神経前駆細胞における層特異的運命決定機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18700347
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

今野 大治郎  独立行政法人理化学研究所, 非対称細胞分裂研究グループ, 客員研究員 (00362715)

キーワード神経幹細胞 / 神経前駆細胞 / 大脳皮質 / 細胞周期
研究概要

本年度は研究計画に従い、子宮内電気穿孔法を用いてマウス胎児の神経前駆細胞へ活性化型NotchとCDKインヒビターの一つであるp18Ink4cを一定期間(E12.5-15.5)強制発現させたのちCre-loxPシステムによりその発現を停止させ、細胞周期を一定期間停止させることによる神経前駆細胞の性質変化に対する影響を観察した。当初はCre-loxPシステムによる活性化型Notch及びp18Ink4cの発現解除にはタモキシフェン誘導型Creを用いていた。しかしながらタモキシフェン誘導型Creのバッククラウンドが非常に高いこと、またタモキシフェンの投与により、親マウスの流産の確率が上がることなどの問題が発生したため、上記分子の発現解除にはCreリコンビナーゼの発現ベクターをE15.5でエレクトロポレーションすることにより行った。解析は生後7日に行い、各種層特異的マーカー分子(Brn2,TLE4等)や細胞種特異的マーカー分子(NeuN, GFAP等)に対する免疫組織化学により効果を検討した。その結果、対照群(活性化型Notchのみを発現)では、発現解除後の細胞は大脳皮質上層に存在し、Brn2等の大脳皮質2/3層のマーカー分子の発現が認められた。一方、実験群(活性化型Notchとp18Ink4cを発現)では、発現解除後の細胞は大脳皮質全体に散在し、その形態はオリゴデンドロサイト様であった。これらの細胞がオリゴデンドロサイトかどうか現時点では確定できていないが、各種層特異的マーカーの発現は認められず、また神経細胞特異的マーカーの発現も認められなかった。これらの結果は、神経前駆細胞において正常な細胞周期の進行が細胞の運命決定において重要な役割を担っていることを示唆している。今後は研究計画に従い、これら細胞周期の進行による正常な神経前駆細胞の性質変化が、どのような分子により制御されているのかを明らかにしていく。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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