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2008 年度 実績報告書

シンタキシンノックアウトマウスを用いた行動的解析

研究課題

研究課題/領域番号 18700368
研究機関杏林大学

研究代表者

藤原 智徳  杏林大学, 医学部, 講師 (90255399)

キーワードSNARE蛋白質 / マウス / 行動解析 / シンタキシン
研究概要

中枢神経系のシナプス伝達において、シナプス前終末でシナプス小胞の開口放出が障害されることで、脳の高次機能にどのような影響を与えるか検討した。そのため、開口放出を制御するSNARE蛋白質の欠損マウスを用いた解析を行った。神経細胞のSNARE蛋白質は、形質膜にシンタキシン1(STX1)、SNAP-25が発現している。このうちSTX1は、STX1AとSTX1Bの2つのアイソフォームが発現している。はじめに、STX1A欠損マウスを作成し、その解析を行った。In vitroでの実験結果と異なり、このマウスでは基本的なシナプス伝達に異常はみられなかったが、記憶、認知機能に障害が認められた。興味深いことに、これらの異常の一部はセロトニン作働薬の投与により改善された。そこで、セロトニン分泌について解析を行った結果、STX1A欠損マウスではその分泌が顕著に抑制されており、セロトニン刺激により促進される神経機能の障害が認められた。これらの結果から、STX1Aを欠損したときのその大部分の機能はSTX1Bにより代償されうるが、セロトニンなどの一部のシナプス伝達は代償できないことが示唆された。つまり生体内でSTX1AとSTX1Bがやや異なった機能を持つ可能性が推測される。そこで、STX1B欠損マウスの作成を試み、その解析を行った。STX1B欠損マウスは、STX1A欠損マウスと異なり、生後14日までに致死となった。これまでの解析から、その障害は小脳で顕著であり、運動機能障害がその致死となる直接の原因のようである。また、STX1Bのヘテロマウスでは高頻度に痙攣発作を認めた。現在、このマウスでのシナプス伝達の詳細について検討を行っている。このように、当初は同じ機能を持っていると予想されたSTX1AとSTX1Bの欠損マウスで異なる表現型が認められたので、SNAP-25欠損マウスの解析もあわせて行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Transient silencing of synaptic transmitter release from specific neuronal types by recombinant tetanus toxin light chain fused to antibody yari able region2008

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi T, et.al.
    • 雑誌名

      J Neurosci Methods 177

      ページ: 125-132

    • 査読あり
  • [学会発表] Functional analysis of the striatopallidal neural pathway by conditional transmission silencing2008

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi T, et.al.
    • 学会等名
      Society for Neuroscience
    • 発表場所
      Washington, DC
    • 年月日
      20081015-19
  • [学会発表] Functional analysis of the striatopallidal neural pathway by conditional transmission silencing2008

    • 著者名/発表者名
      T. KOBAYASHI, N. KAI, K. KOBAYASHI, T. FUJIWARA, K. AKAGAWA, M. ONDA, I. PASTAN, K. KOBAYASHI
    • 学会等名
      神経科学会
    • 発表場所
      東京ビックサイト
    • 年月日
      20080709-11
  • [学会発表] Impairment of HPA-axis in HPC-1/syntaxinlA knockout mice2008

    • 著者名/発表者名
      Kofuji T, et.al.
    • 学会等名
      神経化学会
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2008-09-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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