研究概要 |
本年度は,接触方式の角膜変形の計測システムを構築し,準静的な印加力が加わったときの眼剛性を計測することを目的として以下の通り実施した. (1)・安全性が保証された市販の接触方式眼圧計およびカメラから構成される角膜変形の計測システムを構築した.接触方式眼圧計はプローブを直接角膜に押し当てる方式を採用しているため,角膜の凹状変形が起こらず粘性や慣性の影響を受けにくい準静的な条件で剛性を計測することができる. (2)計測システムを制御するプログラムおよび計測データの解析プログラムを製作した. (3)内圧を持つ半球を想定した解析モデルを構築し,内圧と剛性の関係を定式化することで,剛性の理想値を算出できるようにした. (4)広島大学病院の協力を得て,被験者11名に対して構築したシステムを用いて眼剛性の計測を行い,結果が解析モデルによる理想値と定性的に7致することを確認した. 以上の結果を踏まえ,最終年度となる来年度は,講築システムの精度検証,接触方式の・利点を活かした接触面積の同時計測,さらなる被験者に対する実験を行い,角膜変形異常の判別が行えるシステムの構築をすすめたい.
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