本研究の目的は、今まで可視化困難であった繊維状組織を鮮明に捉え、また偏光計測での諸問題を解明することである。これを可能にするため、高感度なCOT(Optical Coherence Tomography)装置の開発を行うことは研究実施計画で述べた。また、実際にin vivoで生体内の偏光特性を高精度に測定するためには、物体の動きによる影響を最小限に抑えることが望ましい。そのためには、より高速な画像収得が必要である。これらの必要性を受け、システム感度と画像収得測度を向上させる研究を偏光計測を並行して行い、下記の成果が得られた。 1.高感度化 光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier)を用いることによって、OCTのシステム感度を22.8db向上させることに成功した。この方法により、生体内のより深い領域の撮像が可能となった。一連の結果は、研究成果に載せたように論文として発表した。 2.高速化 従来のデータ取得方法だと1.7フレーム(奥行き512×横方向1550)であったフレームレイトを約25倍高速(毎秒42フレーム)に撮像できる方法を開発した。この結果は、OCTにおける世界最大の国際会議であるBIOSにおいて、「High-speed optical frequency domain imaging by one frame imaging within one single ferquency seep」の題目で発表を行った。更なる改良を経た後、現在、論文を執筆中である。
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