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2007 年度 実績報告書

生体の安全性確認のための超音波照射時における生体軟部組織ならびに骨内部の温度推定

研究課題

研究課題/領域番号 18700445
研究機関神奈川大学

研究代表者

土屋 健伸  神奈川大学, 工学部, 助教 (50291745)

キーワード超音波診断装置 / 安全性 / 生体内発熱 / 骨内発熱 / 音波伝搬 / シミュレーション / FDTD-HCE法
研究概要

本年度は,生体内部の音波伝搬と温度上昇に関する検討をより詳細に行った.複雑な形状の生体と骨内部を伝搬する音波を計算機で解析する手法としてFDTD法を用いた.そして,骨内を伝搬する音波をより正確に求めるために横波成分を同時に解析する弾性FDTD法のプログラムを開発して,骨の有無によって超音波の強度分布がどのように変化するか求めた.その結果,強度として数dB程度の差が出ることが分かった.さらに,生体組織と骨内の発熱状態を綿密に調べるために通常の超音波診断装置と瞬間的な強度は同じだが,エネルギーとしては数百倍の照射となる連続波を送信した条件で解析を行った.その結果,横波を考慮すると生体組織と接する面での発熱が大きくなる結果が得られ,安全性の面から注視すべき結果が示唆された.
次に製作したシミュレーションソフトウエアの信頼性と精度を確認するために生体組織に似せた音響的・熱的特性を持つ生体模擬ファントムを作成して模擬実験を行った.生体軟部組織のファントムは IEC60601-2-37のAnnexに示されている組成で作成し,骨はアクリルを擬似骨として用いた.中心周波数2MHzの超音波をファントムに連続30分間照射し,生体模擬ファントム内部の温度変化を熱電対で測定した.その結果,実測したデータとシミュレートした結果が良い一致が見られ,製作したソフトウエアの信頼性を確認することができた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 超音波照射時の生体内温度上昇における擬似骨の影響のファントム実験とシミュレーションとの比較検討2008

    • 著者名/発表者名
      遠藤信行, 土屋健伸
    • 雑誌名

      日本超音波医学会 35(2)

      ページ: 173-181

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 極海での音波伝搬特性に氷の横波が与える影響2007

    • 著者名/発表者名
      土屋健伸, 松本さゆり, 遠藤信行
    • 雑誌名

      海洋音響学会誌 34(3)

      ページ: 157-166

    • 査読あり
  • [学会発表] 擬似骨を持つ寒天ファントム内の超音波照射による温度上昇2007

    • 著者名/発表者名
      土屋健伸, 遠藤信行
    • 学会等名
      日本超音波医学会関東甲信越地方会第18回学術集会予稿集
    • 発表場所
      東京,日本
    • 年月日
      20071000
  • [学会発表] 超音波照射によるファントム内部の温度上昇測定と推定結果の比較2007

    • 著者名/発表者名
      土屋健伸, 長井一樹, 辻綱起, 折出翔, 杉村信太朗, 遠藤信行
    • 学会等名
      日本超音波医学会第80回学術集会
    • 発表場所
      大阪,日本
    • 年月日
      20070500
  • [学会発表] Estimation of temperature distribution in agar phantom with mimic bone2007

    • 著者名/発表者名
      N. Endoh, T. Tsuchiya, S. Oride, K. Nagai and S. Sugimura
    • 学会等名
      29th International Acoustic Imaging
    • 発表場所
      湘南,日本
    • 年月日
      20070400

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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