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2007 年度 実績報告書

脳活動非侵襲計測実験に基づく模倣の認知および表出過程の神経基盤に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18700464
研究機関首都大学東京

研究代表者

宮本 礼子  首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (70404944)

キーワード脳 / 模倣 / f MRI / 解剖模倣 / 鏡模倣 / 運動 / 下前頭回 / mirror neuron
研究概要

模倣には,向かい合った相手の動きを,鏡のように模倣する場合(鏡模倣)と,解剖学的に同側であるが空間的には反対側となる位置関係で模倣する場合(解剖模倣)がある。本研究は,この2種類の模倣について,動作を認知し行動表出するまでの脳内機構について明らかにし,動作模倣において重要な役割を果たす脳内部位を特定することを目的として実施した。
右利きの被験者11名に対し,示指と中指の単純かつランダムな指持ち上げ運動で構成された刺激画像を提示し,被験者は右手か左手でそれを模倣した。その際の脳活動をfunctional MRI(f MRI)を用いて計測した。f MRIデータの解析はSPM99を用い,機能イメージは頭部の動きに合わせて補正した。
その結果,解剖模倣と鏡模倣の主効果として両側中前頭回(右半球BA45/46,左半球BA44),両側中前頭回,左下頭頂小葉の活動が認められた。右前頭回は,運動抑制に関与することが先行研究で報告されていることから,刺激画像につられて運動しようとする手の動きを抑制していると考えるられる。また,左の下前頭回(BA44)や左下頭頂小葉の活動は,模倣時に活動するとされるmirror neuronの活動と考えられる。このneuronは,従来鏡模倣において活動するとされていたが,本研究では解剖模倣でよりその活動を強く認めた。これは,より自分にとって複雑な模倣に対応するためにmirror neuronが重要な役割を果たす可能性を示唆している。また,解剖模倣vs,鏡模倣の条件に左右手の条件を加えると,非利き手である左手実行時に左緑上回の活動が認められたが,これは自分の運動意図に関連した他者の運動分析を行っいたと考えられる。
以上より,非利き手における解剖模倣成功のためには,下前頭回を中心とした行動抑制と,下頭頂小葉などにおける精緻な運動分析が,重要な役割を果たすということが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 左右手の単純動作認知に関連する脳活動-f MRIを用いた脳機能マツピングー2007

    • 著者名/発表者名
      宮本 礼子
    • 学会等名
      第41回日本作業療法学会
    • 発表場所
      鹿児島市民文化ホール
    • 年月日
      2007-06-23
  • [学会発表] 左右手指模倣における脳機能イメージング2007

    • 著者名/発表者名
      宮本 礼子
    • 学会等名
      第56回日本生理人類学会大会
    • 発表場所
      秋田大学教育文化学部
    • 年月日
      2007-06-16
  • [学会発表] Role of the right inferior frontal gyrus in anatomic imitation: an fMRI study2007

    • 著者名/発表者名
      Reiko Miyamoto
    • 学会等名
      4th World Congress of the International Society of Physical and Rehabilitation medicine
    • 発表場所
      COEX,Seoul,Korea
    • 年月日
      2007-06-13

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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