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2008 年度 実績報告書

聴覚障害者の他者感情理解 : 難聴者・児を対象とした表情認知の神経生理学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 18700472
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

増田 早哉子  慶應義塾大学, 社会学研究科, 助教 (90415365)

キーワード聴覚障害 / 認知発達 / 視聴覚統合
研究概要

本研究は、言語獲得前に失聴した聴覚障害児および統制群として健聴定型発達児を対象として、社会性の発達のひとつの指標となりえる、表情認知および他者の感情認知に関する実験を行ったものである。
1. 感情刺激の作成 : 演技経験者をモデルとして、感情を伴う顔画像および音声・発話を収集した。同画像および音声の、輝度・音圧・時間などを統制して実験刺激とした。基本6感情(喜び・怒り・悲しみ・驚き・恐れ・嫌悪)および中立(真顔および平常の音声)の、計7種類の表情および感情音声の刺激データベースを作成した。さらに各顔刺激と音声刺激を合成し、視聴覚刺激の情動が一致する一致条件刺激と、情動が一致しない不一致条件刺激を作成した。
2. 健聴児の他者感情・意図認知実験 : 既存の複数の他者意図理解課題遂行および表情認識課題を用い、統制群として健聴定型発達児童の他者の意図・感情発達を測定した。先行研究と同様の結果を得、これらのデータを、難聴児の結果と比較するための統制条件として使用した。
3. 難聴児の他者感情・意図認知実験 : 聴覚障害児50名を対象とし、健聴児と同様の検査を行なった。その結果、難聴児は健聴児と比較して他者意図理解における認知発達に遅延がみられた。これらの遅延は、難聴児の知能発達(言語性IQおよび運動性IQ、WIscを使用)および聴力(裸耳および補聴耳(人工内耳を含む))とは独立であることが示された。ただし、人工内耳や補聴器装用時期と、これらの社会性発達との関係はまだ明らかになっておらず、今後のさらなる調査及び実験が必要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 難聴児の誤信念課題遂行2008

    • 著者名/発表者名
      増田早哉子
    • 学会等名
      第53回日本音声言語医学会
    • 発表場所
      広島県三原市芸術文化センターポポロ
    • 年月日
      2008-10-24
  • [図書] CARLS series of advanced study of logic and sensibility. Vol. 22009

    • 著者名/発表者名
      Masuda, S.
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      Neural basis underlying vocal and speech control using auditory feedback

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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