研究概要 |
高齢者や歩行補助を受けるものにとって支援の難しさを踏まえ,本研究では「動的な歩行補助具を製作」「背屈だけではなく底屈も補助し,登坂歩行を可能にする」ことを可能とするため歩行制御法や歩行支援方法を提案する.安定した歩行支援をするため,歩行者の足関節の位置を常に把握できるように工夫する.これまでの筋電による筋力の把握よりも検出の難しさや負担が少なく,正確に歩行を把握することができる感圧センサを用いた.また,高齢者及びリハビリを受ける者が補助具自体を負担としないため下肢にモータの設置を避け,背部に取り付けた.これらの技術を総合し「高齢者や術後のリハビリテーションを受ける者が自立し,安全かつ快適な生活を可能とする登坂歩行可能な動的歩行支援システムを開発すること」を目的とした.歩行支援機器の概要と試作足首部分に動力を設けず,腰部にポーチを装着し,内部にDCギヤドモーターを内蔵しウェラブル化を図った,足関節・膝関節の補助具を二つに分けることにより,補助具の脱着をスムーズに行えるようにしたさらにフレキシブルシャフトを動力伝達に使用し外観を保つことで着用者に不快感を与えないようにした.質量も足関節補助具800g,膝関節補助具750g,コントロールスイッチ800gにおさえて負担を軽減させた.装着歩行実験と階段昇降実験による効果の検証階段の段差に対して足底が後ろ斜めから接地するため安定性が大幅に向上し,膝関節の運動を補助することにより膝の負担を軽減し,装具の軽量化で昇降時の足先へのモーメント,体の前後左右のバランスヘの影響はなく,モータとバッテリーを腰に配置することで体の前後左右のバランスにもほとんど影響はなかった.また,下りにおいては膝関節を補助することにより膝が前方に出すぎずに安全に降りることが出来た.
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