本研究では、イスラム社会において、身体教育はどのように捉えられているのか、その特質性はどのようであるのかといった点を、アラブ諸国と非アラブ諸国を事例にしつつ、明らかにしようとすることである。特にこれらの国々の社会制度や学校教育制度の中でスポーツはどのように考えられているのか、また、今後どういう方向でスポーツが振興されようとしているのかについて多面的な方向から検討しようとした。アラブ諸国では、シリア、ヨルダン、エジプト、モロッコ、チュニジア、非アラブ諸国ではインドネシア、バングラディッシュ、マレーシア、モルディブをそれぞれ対象としている。尚、これらの国々は、青年海外協力隊の派遣実績のある国である。 本年度の調査活動により、アラブ諸国の国々については必要な資料を整理・分析することが出来た。また、平成19年9月に対象国であるモルディブにおいても現地調査を行い、身体教育に関する情報入手を行い、翻訳作業などを実施した。また、他の非アラブ諸国(インドネシア、バングラディッシュ、マレーシア)の身体教育事情のデータについても情報収集を行い、現在、分析中の段階にある。 20年度には文献収集において情報収集が不可能であった部分について、インドネシア、バングラディッシュ、マレーシアの3カ国を訪問し、身体教育事情のデータを収集し、さらに研究を進捗させ、最終的な総括を行いたいと考えている。 尚、これまでに情報収集をした国々のうち、シリア・ヨルダンについてまとめて論文投稿を行ったところ、査読を経て掲載された。
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