本研究では、ブラウンシュヴァイク地方マルチノ・カタリニウム高校(ギムナジウム)の遊戯運動(遊戯を広めるためのムーブメント)にひとつの焦点をあて、1870年代から世紀転換期までのドイツにおけるサッカークラブの形成過程について検討した。その結果、サッカークラブの形成過程には、 (1)19世紀初頭に形成された体操クラブにサッカーが位置づけられる過程、 (2)学校のサッカークラブが地域の祝祭に取り込まれながら地域クラブとして確立される過程の二つがあったものの、現在の「総合型地域スポーツクラブ」にみられる公共性の全面展開は、世紀転換期以後をまたなければならなかったことを明らかにした。
|