本年度は、現時点での養成講習会参加者の総合型地域スポーツクラブでの活動の可能性について大まかにつかむことを目的として、平成18年7月22日〜30日(うち4日間)に実施された石川県初級障害者スポーツ指導者養成講習会参加者に対して、今後どのような活動に講習会で学んだ内容を活かしたいと希望しているのか、また、その活動をするにあったての不安感の程度、講習内容の理解度等について、アンケート調査を実施した。その結果、以下の内容が考察された。今後の希望する活動としては、現在就いている仕事(学生については希望する職業)に活かしたいというのが最も高かった。受講生の四%の職業が、福祉施設職員、養護学校教員、福祉系大学学生であることを考慮すると、このような結果は当然であると言えよう。また、自分の希望する活動をするにあたっての不安感の程度については、半数以上の受講者が多少は不安を抱えているが活動を行うことは可能であると回答している。不安感が大きい受講者と不安感が小さな受講者との間で講習内容の理解度には差が見られないことから、不安感の差は、希望する活動内容が必要とする専門性やこれまでの経験知が影響を与えていると考えられる。初級障害者スポーツ指導者養成の自的は、生活単位である地域レベルでの障害者へのスポーツ支援が行える人の養成である。その意味では、福祉施設や学校以外のサークル活動やスポーツ教室などでも講習会参加者が指導者として活躍することが望まれる。そのためには、講習会終了後にすぐにでも関われるような活動をアナウンスすることや、また、地域で実際に行われる活動が講習会の内容と合致するよう、地域ごとに講習会の内容に弾力性を持たせることも必要であると考えられる。
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