研究概要 |
本研究の目的は,生徒のコミュニケーションスキル,特に喫煙や飲酒などの望ましくない行動をすすめられた場合のコミュニケーションスキルを行動観察によって評価する方法を開発することである。具体的には,ロールプレイングを用いて,実際に子どもが「喫煙,飲酒をすすめられた場面での断る様子」をビデオカメラで撮影し,その映像から生徒のコミュニケーションスキルを複数の評価者によって観察評価することであった。 初年度に当たる平成18年度においては,予備調査で生徒の行動観察評価の信頼性に問題がみられた「ノンバーバルな行動に関する評価規準」を再検討し,観察評価者の一致度が高まるような評価規準となるように研究協力者等との検討を踏まえて評価規準を修正した。 修正された評価規準に基づいて,性別,教職暦を考慮して選別された37名の学校教員(観察評価者)によって行動観察評価の信頼性等の検討を行った。その結果,性別や教職暦,あるいは教員免許の取得状況等によってややバラつきはみられるものの,改善された評価規準が喫煙,飲酒防止教育の評価指標としておおむね活用可能であることが伺えた。しかし,これまで報告されている喫煙,飲酒防止教育の評価で用いられているような指標(生徒の喫煙,飲酒に対する知識や意識,心理測定尺度等)との関連についても検討する必要性が残された。
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