研究概要 |
女子大学生の骨密度変化に及ぼす体脂肪の影響の検討 【対象と方法】女子大学生58名を対象とし、体脂肪率、踵骨骨密度、血中エストラジオール(E2)、レプチン、ビタミンKを測定し、VD-hSIF1遺伝子多型解析を行なった。【結果】(1)対象はやせ15人(26.3%)、普通肥満23人(39.5%)、隠れ肥満18人(32.2%)、肥満2人(2%)であった。(2)隠れ肥満群ではやせ群、普通群に比し、踵骨骨密度、及びレプチン濃度は有意に高く、逆にE2濃度は有意に低かった。(3)VD-hSIF1領域の多型はWT型15人(17.6%)、MT型(30.5%)、ヘテロ型(51.9%)であった。(4)VD-hSIF1多型別に踵骨骨密度を比較するとやせ群、普通群ではWT型>ヘテロ型>MT型の順で有意に高かったが、隠れ肥満群と肥満群では差がなかった。hVD-SIF1多型別に踵骨骨密度とレプチン濃度の関係を検討するとやせ/MT型群、普通/MT型群では踵骨骨密度とレプチン濃度有意に正の相関を示した(r=O.37,p=0.09)が、隠れ肥満/MT型群と肥満/MT型群では有意な関連がなかった。(5)ビタミンKは若年成人女性の骨密度と関連がなかった。【結論】やせ体型、および普通体型の若年成人女性では腸管からのCa吸収の遺伝的影響を強く受けるが、隠れ肥満の若年成人女性では、脂肪細胞におけるレプチンが骨密度維持に寄与することが示唆された。 隠れ肥満」モデル動物の骨代謝及び腸管からのCa吸収に及ぼす影響 【方法】OLETF/隠れ肥満群とLETO/やせ群、OLETF/対照群、LETO/対照群、OLETF/OVX群、LETO/OVX群の6群の各モデル動物を作成し骨密度及び体脂肪量を測定した。【結果】(1)骨密度、骨強度はOLETF/OVX群、LETO/OVX群が他の4群よりも有意に低値であった。OLETFの隠れ肥満群と対照群、やせ群には差がなかった。(2)体脂肪量、血中レプチン濃度はいずれもLETO/やせ群が他の5群より低値だが、統計的な有意差はなかった。
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