研究課題
女子大学生の骨密度変化に及ぼす体脂肪の影響の検討【目的】骨粗鬆症予防にとり体脂肪量が極端に少ない"やせ"は単に荷重不可を少なくするという以上に重大な危険因子と考えられる。本研究では女子大生を対象に骨密度に及ぼす体脂肪量とエストロゲン、レプチンめ影響を検討した。【対象と方法】H18年度入学生58名H19年度入学生28名を継続対象、H20年度入学生27名を新規対象とし、平成20年7月に体脂肪率、踵骨骨密度、血中エストラジオール(E2)、レプチン、ビタミンKを測定した。同時に新規対象者のみVD-hSIF1遺伝子多継続対象、型解析を行なった。【結果】(1) 対象はやせ30人(24%)、普通肥満37人(35%)、隠れ肥満28人(315%)、肥満4人(25%)であった。継続対象のうち、隠れ肥満に145%とやせに75%が体格が変化した。(2) 隠れ肥満群ではやせ群、普通群に比し、踵骨骨密度、及びレプチン濃度は有意に高く、逆にE2濃度は有意に低かった。(3) VD-hSIF1領域の多型はWT型15人(176%)、Mr型27人(305%)、ヘテロ型人44(519%)であった。(4) hVD-SIF1多型別に踵骨骨密度を比較するとやせ群、普通群ではWT型>ヘテロ>MT型の順で有意に高かったが、隠れ肥満群と肥満群では差がなかつた。hVD-SIF1多型別に踵骨骨密度とレプチン濃度の関係を検討するとやせ/MT型群、普通/MT型群では踵骨骨密度とレプチン濃度有意に正の相関を示したが、隠れ肥満/MT型群と肥満/MT型群では有意な関連がなかった。(5) ビタミンKは若年成人女性の骨密度と関連がなかった。【結論】やせ体型、及び普通体型の若年成人女性では腸管からのCa吸収の遺伝的影響を強く受けるが、隠れ肥満の若年成人女性では、脂肪細胞におけるレプチンが骨密度維持に寄与することが示唆された。
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CLINICAL CALCIUM Vol.18, No.7
ページ: 89-95