研究課題
マメ科植物の種子から抽出される多糖であるガラクトマンナンは、安価で、高粘度であることから、工業的に生産されている。ガラクトマンナン多糖はマンノース主鎖のガラクトース側鎖を有する化学構造をしているが、側鎖の頻度の異なるグアーガム、タラガム、ローカストビーンガムなどがあり、これらはゲル化、液晶化などの高次構造変化がみられる。本研究では、側鎖の頻度の異なるガラクトマンナン多糖を用いて物理・化学架橋ヒドロゲルの調製方法を検討した。示差走査熱量分析により、得られたゲルの熱的性質を明らかにし、さらに膨潤挙動を検討することを目的とした.各種ガラクトマンナン多糖を用いてヒドロゲルが調製可能か検討したところ、凍結-解凍を繰返すことにより、ローカストビーンガムはヒドロゲルを形成することが明らかとなった。ガラクトース側鎖の頻度の高いグアーガム、タラガムなどはゲルを形成しなかった。ローカストビーンガムを用いて、冷却速度を変えて凍結させ、ゲル化させたところ、冷却速度により異なるジャンクションゾーンを形成することが分かった。示差走査熱量分析(DSC)でゲル中の氷の構造を検討したところ、冷却速度により束縛水量が異なり、ゲル中の氷の構造が異なる結果が得られた。凍結-解凍法により調製したローカストビーンガムヒドロゲルのゲル-ゾル転移を検討したところ、ローカストビーンガムヒドロゲルはゾル化せず、熱不可逆性ゲルであることが分かった。この結果から熱的に安定な構造を形成していることが示唆される。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (4件)
Thermochimica Acta 452
ページ: 53-58
Carbohydrate Polymers 68
ページ: 701-707
Journal of Thermal Analysis and Calorimetry 85
ページ: 669-674
Malaysian Chemical Congress 2006 (MCC2006) International Conference and Exhibition on Green Chemistry
ページ: 564-569