研究課題
本研究の目的は、世界の家政学領域における、学会、初等・中等(家庭科教育)、高等教育機関レベルでの「人材育成」「社会への発信」方法の実態を調べ、わが国で家政学領域が進展する仕組みづくりを検討することである。平成19年度に実施した主な研究成果は以下のとおりである。1)国際家政学会において若手研究者育成をめざすYPN(Young Professionals Network)へ参加することでYPNの目的や活動について情報を収集した。その結果、2005年に設立、世界において家政学領域の若手研究・教育者が主体的に仲間と対話しながら、ネットワークを広げ、励ましあいながら、キャリアをつんでいこうとする実態を理解した。家政学領域は今までになく、国際的な連携が進みつつあることを再確認した。2)米国家政学会とともに米国家政学のアーカイブをコレクションしており、旧家政系学部が発展し続けている米国のコーネル大学を視察。旧家政系学部であるヒューマン・エコロジー学部における理念・目標・カリキュラム、エクステンション・サービス、アーカイブの活用方法などについて資料収集、各関係者への直接のインタビュー、アーカイブを実現し長く学部長を務めたFirebaugh教授へのインタビューも行った。その結果、学部名称が変わっても、学部の理念の中に家政学の本質を活かすことの重要性、また、その実現に、家政学の歴史をアーカイブするなどの取り組みが有効に働くこと、(人々の健康を実現するための)政策分析などの分野が重要であることを確認した。研究大学において科学をべースとして家政系学部が生き残る可能性を理解した。3)その他、今後、世界的なレベルで社会貢献できる若い家政学者育成へつながるよう、中等・高等教育機関レベルで、家政学とICTを活用した国際交流プログラムの実践を支援するための準備(国際学会における発表、Web上でのプラットホームの作成、設備の整備、大学における国際的視野をもつ授業の展開など)を行った。
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総合科学研究 2号
ページ: 1-7
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