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2007 年度 実績報告書

「家族に優しい」企業の形成に関する研究-雇用労働者の実質的男女平等に向けて-

研究課題

研究課題/領域番号 18700585
研究機関高知大学

研究代表者

森田 美佐  高知大学, 教育学部, 准教授 (20403868)

キーワード家政学 / 社会学 / 労働 / 家族 / ジェンダー
研究概要

本年度の研究によって以下が明らかになった。
第1に、文献調査から、日本の「ファミリー・フレンドリー」企業では、労働者(特に男性正社員)の長時間労働を変える効力を十分にもっていない傾向が見られた。例えば、労働者が抱える多数の仕事を、労働者の自己責任によって短時間で終わらせるよう要請する企業も存在していた。
第2に、「ファミリー・フレンドリー」企業で働く男性社員であっても、彼らは育児休業ではなく、有給休暇の消化や、査定に影響を及ぼさない休暇(出産休暇等)などによって、出産時の育児に関わっている傾向がうかがえた。
第3に、「ファミリー・フレンドリー」企業においても、育児休業をとった社員や短時間勤務制度を選択した社員の、企業内での査定は、フルタイムで残業した社員よりも低い傾向にあった。また「ファミリー・フレンドリー」企業の中には、この点について何も問題を感じていないものが存在した。
上記から、「日本のファミリー・フレンドリー」企業に関する研究では、(1)労働時間の短縮のための実践的なプログラムの策定と実施、(2)育児休業などの取得による賃金の保障、(3)育児休業取得後の労働者の査定に関する「公正」概念の再検討、が必要であることがわかった。特に(3)については、企業の判断に任せることが真に妥当であるかどうかを議論する段階にある、と考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 家政学における「仕事と生活の調和」概念の検討2008

    • 著者名/発表者名
      森田美佐
    • 雑誌名

      高知大学教育学部研究報告 68(印刷中)

  • [雑誌論文] 子育て支援における保育士側の現状と課題-保育士の家庭生活に注目して-2008

    • 著者名/発表者名
      添木佑香・森田美佐
    • 雑誌名

      高知大学教育学部研究報告 68(印刷中)

  • [雑誌論文] 働く女性の「これから」を考える2007

    • 著者名/発表者名
      森田美佐
    • 雑誌名

      労働の科学 2007年10月号 62

      ページ: 5-8

  • [図書] 『男の子育て・女の子育て』2008

    • 著者名/発表者名
      森田美佐(共著)
    • 出版者
      昭和堂(印刷中)

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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