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2008 年度 実績報告書

「なかよし」の両義性の分析による幼児理解の方法の探究

研究課題

研究課題/領域番号 18700586
研究機関日本女子大学

研究代表者

岩田 恵子  日本女子大学, 家政学部, 助教 (80287812)

キーワード教育系心理学 / 幼児理解 / 幼稚園 / 遊び / 模倣
研究概要

「なかよし」という関係は肯定的な側面で捉えられることが多く、葛藤的な側面を見落とされがちである。この「なかよし」ということに含まれる両義性を問いながら保育の場における幼児理解や遊びの援助に関する示唆を得ることが本研究の目的であった。今年度は特に、新入園児である年少児における「なかよし」の形成プロセスを模倣の観点から見ていくことを中心に研究および研究発表をおこなった。
幼稚園において子ども同士の遊び場面を中心にビデオカメラを用いて週に1回観察を行い、3歳児クラスの子ども同士の間に生じた模倣に焦点化したエピソードの分析を行った。その結果、大人の文化に子どもが参入していく際に大きな意味をもつ「模倣」は同年齢の子ども同士が遊んでいるときにも見ることができた。また、そこで見られた模倣の様相の変化は、身体的な動きに巻き込まれるような同調的な動きの模倣から、特定の他者をおいかけて真似するようなやや意図的な模倣、さらには相手の意図を理解した、互いにまなざしをおくり真似しあう模倣へと変化していることが観察された。
遊びとして魅力的な動きは模倣を誘う働きを示し、それは模倣しあう仲間関係のはじまるきっかけであった。子ども同士のあいだでは、大人と子どもとの間ほどの明確なかたちでの力の差、文化の存在はみられず、仲間同士が模倣しあうことは、Corsaroの指摘する仲間文化の形成と深く関っていた。しかし、観察の中で、模倣が生じない関係、さらには模倣を拒む関係も見られ、力関係のはじまりと見てとることもできたことから、「なかよし」の葛藤的側面と模倣は深くかかわっていることが推察された。
今後、「なかよし」関係の形成プロセスの葛藤的側面を模倣を通してさらに検討していきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] The developmental processes of peer imitation during free play in kindergarten2008

    • 著者名/発表者名
      Keiko Iwata
    • 学会等名
      International Society for Cultural and Activity Research (ISCAR2008)
    • 発表場所
      UCSDアメリカ・カリフォルニア州
    • 年月日
      2008-09-10
  • [学会発表] 幼稚園における子ども同士の遊びのはじまり:仲間の行為の「模倣」の変容2008

    • 著者名/発表者名
      岩田恵子
    • 学会等名
      日本保育学会第61回大会
    • 発表場所
      名古屋市立大学名古屋
    • 年月日
      2008-05-17
  • [図書] 幼児理解と保育相談2009

    • 著者名/発表者名
      岩田恵子(福崎淳子)
    • 総ページ数
      216(17-83)
    • 出版者
      東京未来大学

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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