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2006 年度 実績報告書

食物抗原の腸管吸収性とアレルギー誘発能に及ぼす加工・調理の影響

研究課題

研究課題/領域番号 18700594
研究機関名古屋学芸大学

研究代表者

山田 千佳子  名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 助手 (30351216)

キーワード食品 / タンパク質 / 食物アレルギー
研究概要

アレルゲンの消化および吸収性について調べるために、米主要アレルゲンである14-16kDaアルブミン(RA)を用いて牛血清アルブミン(BSA)との消化性を比較し、消化管から体内への吸収性について検討した。
RAおよびBSAをin vitroにおいて消化酵素と反応させ、その消化性を解析した結果、BSAは120分後にはほぼ完全に分解され消失したが、RAは120分反応後にも未分解の状態で残存した。また、各タンパク質20mgをマウスに胃内投与後、15分で回収した消化管内容物中の各タンパク質を検出し、in vivoにおける消化性を比較した。その結果、BSAは小腸に検出されなかったが、RAは未分解または部分分解物が胃から小腸上部において検出され、RAはin vivoにおいても消化酵素に対する抵抗性が高く、分解されにくいことが明らかとなった。
また、RAを20mgマウスに経口投与後、15-120分後の消化管内容物を回収し、消化管内での動態を調べた。その結果、RAはおよそ60分かけて吸収部位である小腸下部まで消化管内を移動しており、残存量を測定したところ、小腸全体に0.07-0.59mgの抗原性を保持したRAが検出された。
さらに、消化管から体内へ吸収されるRA量を調べるため、マウスの十二指腸内にRAを投与し、5分後の門脈血中のRA濃度を測定した。その結果、0.4mg投与群では0.4-0.9μg/ml、4.0mg投与群では0.3-2.5μg/mlの濃度でRAが検出され、投与量依存的に移行量が増加する傾向にあった。以上の結果をまとめると、RAは消化酵素に対して高い抵抗性を示し、経口投与したRAの約1/100が小腸内に抗原性を保持したまま残存しており、さらにそのうちの1/1,000-1/10,000が抗原性を保持したまま吸収されて門脈血中に移行することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Digestion and gastrointestinal absorption of the 14-16-kDa rice allergens2006

    • 著者名/発表者名
      山田千佳子
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 70・8

      ページ: 1890-1897

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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