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2006 年度 実績報告書

澱粉食品のテクスチャー制御のための調味料添加方法

研究課題

研究課題/領域番号 18700599
研究機関三重大学

研究代表者

平島 円  三重大学, 教育学部, 助教授 (80390003)

キーワード澱粉 / ショ糖 / ゲル強度 / 糊化 / 老化
研究概要

【研究目的】澱粉食品に,最も頻繁に使用されている調味料は砂糖,すなわちショ糖である.一般に砂糖を澱粉に加えると澱粉の老化を抑制することが知られているが,その添加ショ糖濃度および添加方法についての検討はほとんどなされていない.そこで,澱粉食品のテクスチャーに及ぼすショ糖の影響を調べるために,可能な限り広い濃度範囲でショ糖を澱粉に添加し,さらにショ糖を澱粉に添加するタイミングを変化させた.テクスチャーの変化は,澱粉ゲルのゲル強度に及ぼすショ糖の影響によりおもに検討した.
【実験方法】澱粉には三和澱粉工業(株)製のコーンスターチを用い,その濃度は安定したゲルを形成する15wt%とした.ショ糖は市販のグラニュ糖を0〜30wt%添加した.澱粉水分散液を97℃で1時間加熱することにより澱粉ゲルを調製した。澱粉分散液へショ糖を添加するタイミングは,加熱前の25℃と加熱後の97℃とした.澱粉の糊化および老化挙動を調べるため,DSC測定にはDSC6100S(セイコーインスツル(株))を,破断測定にはレオナーRE-3305((株)山電)を用いて行った.
【結果】ショ糖を澱粉に添加すると糊化温度は高温側へ移行し,糊化エンタルピーは大きくなった.ショ糖は澱粉の糊化を阻害することがわかった.しかし,澱粉ゲルのゲル強度はショ糖を添加すると高くなった.このことはショ糖を加熱前と加熱後に添加しても同様であったが,加熱後にショ糖を添加した方が澱粉ゲルのゲル強度は高くなった.加熱後にショ糖を添加した方が澱粉の糊化が充分に起こるため,強いネットワーク構造を形成すると考えられる.これより,澱粉食品のゲル強度を高めるためにはショ糖を澱粉の加熱後に添加する方が効果的であることがわかった.澱粉の老化に及ぼすショ糖の影響については現在さらに検討中であるが,添加ショ糖濃度により必ずしも澱粉の老化を抑制しないことがわかった.

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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