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2008 年度 実績報告書

血管新生抑制作用を有する抗酸化成分によるメタボリックシンドローム発症予防の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18700608
研究機関広島大学

研究代表者

松原 主典  広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (90254565)

キーワード抗酸化成分 / 血管新生 / メタボリックシンドローム / ビタミン / 脂肪細胞 / 幹細胞
研究概要

高血圧や糖尿病など複数の生活習慣病を併発するメタボリックシンドロームが大きな社会問題となっている。多くの生活習慣病が酸化ストレスや血管新生によって悪化することから、本研究では抗酸化作用及び血管新生抑制作用を有する食品成分によるメタボリックシンドローム発症予防の可能性を検討した。
糖尿病や動脈硬化では、活性酸素や酸化LDLが病態に関与している。従って、抗酸化成分が血管新生抑制作用を有していれば、メタボリックシンドロームの進行を予防できる可能性が高い。そこで、抗酸化成分の血管新生抑制作用を検討し、新たにカルノシン酸に血管新生抑制作用を見出した。また、本成分による糖尿病合併症予防効果について検討したところ、新規作用機序の可性が示唆された。
ビタミン類の生活習慣病予防効果について近年見直されてきていることから、ビタミンK類の血管新生抑制作用について検討した。その結果、ビタミンK3及びその誘導体に血管新生抑制作用を見出した。ビタミンK1は動脈硬化を悪化させる可能性が示唆されていることから、他のビタミンK類に血管新生抑制作用を見出したことは、ビタミンKの利用に関して重要な知見となる。
メタボリックシンドローム予防の一つとして、過度の肥満を防ぐことが重要である。肥満予防に血管新生抑制作用を有する茶カテキンが有効であることが知られているが、その作用機序には未だ不明な点が多い。茶カテキンの抗肥満作用として、脂肪組織に多い幹細胞や脂肪前駆細胞から脂肪細胞への分化にも影響を与えている可能性がある。そこで、マウス胚性幹細胞(ES細胞)を用いて検討した結果、茶カテキン存在下で幹細胞から分化した脂肪細胞は脂肪代謝が高まっている可能性が遺伝子発現解析から示唆された。
以上、抗酸化作用と血管新生抑制作用を有する食品成分はメタボリックシンドローム発症予防に有用である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 1, 4-Naphthoquinone is a potent inhibitor of human cancer cell growth and angiogenesis2009

    • 著者名/発表者名
      Tomoko Kayashima
    • 雑誌名

      Cancer Lett. (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inhibitory effects of vitamin K3 on DNA polymerase and angiogenesis2008

    • 著者名/発表者名
      Kiminori Matsubara
    • 雑誌名

      Int. J. Mol. Med. 22

      ページ: 381-387

    • 査読あり
  • [学会発表] カルノシン酸の血管新生抑制作用2009

    • 著者名/発表者名
      萱島知子
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] Vitamin K3 is a potent inhibitor of angiogenesis and DNA polymerase2008

    • 著者名/発表者名
      Kiminori Matsubara
    • 学会等名
      2^<nd> World Conference on Magic Bullets
    • 発表場所
      Nurnberg, Germany
    • 年月日
      2008-10-03
  • [学会発表] キノン系化合物の血管新生抑制作用2008

    • 著者名/発表者名
      萱島知子・松原主典・水品善之
    • 学会等名
      日本食品科学工学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-09-06
  • [図書] Handbook of Green Tea and Health Research2009

    • 著者名/発表者名
      Kiminori Matsubara
    • 出版者
      Nova Science Publishers, Inc(In press)
  • [産業財産権] 血管新生抑制剤2008

    • 発明者名
      松原主典
    • 権利者名
      国立大学法人広島大学
    • 産業財産権番号
      特許, 特愿2008-258859
    • 出願年月日
      2008-10-03

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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