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2007 年度 実績報告書

柑橘類脱顆粒抑制成分の腸管における代謝・吸収と活性発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18700610
研究機関高崎健康福祉大学

研究代表者

小林 彰子  高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 准教授 (90348144)

キーワードhesperetin / hesperidin / naringenin / eriodictyol / citrus flavonoid / caco-2 / intestinal permeability
研究概要

すでに我々は温州みかんパウダー(日東富士製粉(株))の50%メタノール抽出画分が肥満細胞からの脱顆粒を抑制することを報告している。本年度は、温州みかんパウダーに含まれる脱顆粒抑制成分を解析した。極性の異なる3種の溶媒、即ちエタノール濃度が0、50、99.5%の水溶液でそれぞれ抽出し、減圧乾固後、最終濃度5mgおよび0.5mg/mlで脱顆粒抑制試験に供した。ラット好塩基球性細胞株RBL-2H3を用い、β-ヘキソサミニダーゼ(酵素活性測定法)およびヒスタミン(HPLC on-column法)の遊離からIgE依存性脱顆粒度を測定した。ポジティブコントロールとしてwortmannin(25μM)を用いた。その結果、エタノール濃度50%および99.5%抽出画分が、β-ヘキソサミニダーゼおよびヒスタミンの遊離を抑制した。99.5%および50%エタノール抽出画分から各種クロマトグラフィーにより活性成分を単離した。
EI-MS、FAB-MSとこれらのHR-MS、およびNMR等の機器分析により、4種のポリメトキシフラボン(4',5,7,8-tetramethoxyflavone、tangeretin、nobiletinおよび3,3',4',5,6,7,8-heptamethoxyflavone)および2種のフラバノン配糖体(hesperidinおよびnarirutin)を構造決定した。それぞれの化合物の脱顆粒抑制試験の結果、ヒスタミン遊離とβヘキソサミニダーゼ共に、nobiretin、tangeretin、3,3',4',5,6,7,8-heptamethoxyflavoneは濃度依存的抑制活性を示したのに対し、配糖体であるhesperidinは活性を示さなかった。
また、我々は配糖体であるヘスペリジンが腸管上皮細胞上で代謝されヘスペレチンとなることにより抗アレルギー作用を発揮することを報告している。本年度は腸管上皮細胞のモデルであるCaco-2細胞を用いてヘスペレチンおよびヘスペリジンの腸管透過機構を明らかにした。透過性膜上に単層培養したCaco-2細胞に被験物を添加し、管腔側から基底膜側、基底膜側から管腔側への透過性を測定した。測定にはクーロメトリック式HPLC-ECDを用いた。ヘスペレチンは管腔側から基底膜側へエネルギー依存的に極性輸送され、能動的透過機作を示した。ヘスペリジンの透過速度はヘスペレチンの約1/400で、受動的透過機作を示した。現在、さらに詳細なヘスペレチンの腸管透過メカニズムの解析を行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Transepithelial transport of flavanone in intestinal Caco-2 cell monolayers2008

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi S., and Konisbi Y.
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Commun. 28;368(1)

      ページ: 23-29

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transepithelial transport of hesperetin and hesperidin in intestinal Caco-2 cell monolayers2008

    • 著者名/発表者名
      Kobayasbi S., Tanabe S., Sugiya ma M., and Konishi Y.
    • 雑誌名

      Biochim. Biophys. Acta. 1778(1)

      ページ: 33-41

    • 査読あり
  • [学会発表] Caco-2細胞におけるヘスペレチンの透過機作の解明2008

    • 著者名/発表者名
      小林彰子
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      名城大学
    • 年月日
      2008-03-28
  • [学会発表] 温州みかんパウダーの抗アレルギー成分2007

    • 著者名/発表者名
      小林彰子
    • 学会等名
      日本食品科学工学会
    • 発表場所
      中村学園大学
    • 年月日
      2007-09-08

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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