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2008 年度 実績報告書

日本人のモノグルタミン酸型とポリグルタミン酸型葉酸の摂取比率検討

研究課題

研究課題/領域番号 18700611
研究機関女子栄養大学

研究代表者

福島 真実  女子栄養大学, 栄養学部, 助教 (30286885)

キーワード葉酸 / モノグルタミン酸型葉酸 / ポリグルタミン酸型葉酸 / bioavailability / HPLC / 摂取量
研究概要

食品中の葉酸は、グルタミン酸が1つ結合したモノグルタミン酸型葉酸と複数結合したポリグルタミン酸型葉酸として存在する。摂取したポリグルタミン酸型葉酸は、小腸上皮粘膜でコンジュガーゼにより加水分解されてモノグルタミン酸型葉酸となり吸収される。したがって葉酸のbioavailabilityは50%程度とされているが、実際に摂取している食品によって大きく異なる。葉酸代謝関連酵素MTHFRの遺伝子多型TT型や高齢者、萎縮性胃炎等では葉酸必要量が通常より多くなるため、効率のよい葉酸摂取指導のためには、食品中のモノグルタミン酸型とポリグルタミン酸型葉酸の比率を明らかにすることは重要である。そこで食品中の葉酸の分別定量を試みた。
これまでに葉酸供給源として上位の食品について微生物法で測定した。またtrienzyme法のアミラーゼ処理が米の葉酸値に与える影響を検討した。これらの数値を基に高齢者施設入所者を対象に食事中のモノグルタミン酸とポリグルタミン酸型葉酸の摂取比率を算出したところ、それぞれ17%と83%であった。
本年度はHPLCにて、まず標準品分離の分析条件を検討した。葉酸には多くの誘導体が存在するため、グルタミン酸鎖の分別に目的を絞り、パラアミノベンゾイルグルタミン酸(PABGlu)に分解し分析に供した。HPLC条件は、次のとおりである。Columun : TSK-gel ODS80TsQ(4.6mm×250mm)、移動相 : 50mM KH_2PO_4, 5%CH_3CN, pH2.5、流速1.0ml/分、検出 : UV272nm。食品中葉酸の主たる誘導体であるテトラヒドロ葉酸(THF)、5-メチルTHF、5-ホルミルTHF、10-ホルミル葉酸と合成葉酸のプテロイルグルタミン酸(Glu1〜8)それぞれをPABGluに解裂した検量線の直線性は良好であった。本法は葉酸を解裂してPABGluにする際、高濃度の酸とアルカリを使用するため、カラムに注入する前に脱塩処理が必要である。そこで文献に従いアゾ化後ゲル濾過したが回収率は低かった。精製条件の検討と食品検体への応用は今後継続して実施する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 葉酸代謝関連遺伝子多型に基づくテーラーメイド栄養学-さかど葉酸プロジェクト-2009

    • 著者名/発表者名
      平岡真実、他
    • 雑誌名

      ビタミン 83巻5・6号(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] 食事中葉酸におけるポリグルタミン酸誘導体の葉酸栄養状態への影響2008

    • 著者名/発表者名
      平岡真実、他
    • 学会等名
      日本ビタミン学会第60回大会
    • 発表場所
      仙台・仙台国際センター
    • 年月日
      2008-06-14

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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