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2007 年度 実績報告書

乳飲期小腸吸収上皮細胞における消化吸収メカニズムの多様性に関する分子形態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18700618
研究機関産業医科大学

研究代表者

馬場 良子  産業医科大学, 医学部, 講師 (90271436)

キーワード乳飲期 / 小腸 / 消化吸収 / 分子形態学 / 吸収上皮細胞 / 杯細胞
研究概要

昨年度に続き、新生児期から成熟期までの正常な小腸の性状について詳細に知る目的で、次の(1)〜(3)に関して、主に形態学的、免疫組織化学的方法を用いて検索を行った。
1 終末消化酵素(二糖類分解酵素、ペプチダーゼ)の局在部位について
2 トランスポーター(グルコーストランスポーター)の局在部位について
3 杯細胞の分布について
離乳期を境に、小腸の絨毛および吸収上皮細胞の形態が変化すること、及び吸収上皮紺胞における高分子物質の消化吸収機構が変化することについては、昨年度既に報告を行っている。離乳過程におけるそれらの変化に伴い、吸収上皮細胞の頂部細胞膜(微絨毛膜)表面に存在する二糖類やペプチドを消化する終末消化酵素(β-ガラグトシダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミペプチダーゼ)の局在部位が変化し、グルコースの輸送に関与するトランスポーター(GLUT2、SGLT1)、フルクトースの輸送に関与するトランスポーター(GLUT5)についても、局在部位の変化が見られた。特に、回腸においては、それらの変化が空腸より顕著であった。このことは新生児期及び乳飲期には母乳中の栄養分を高分子のまま細胞内に取り込み、発達した巨大ライソゾーム内で消化する機構が存在するが、離乳期を境にそれらの機構が消失することと密接に関連していると思われる。
杯細胞は小腸上皮を構成する細胞の1つで、粘液を分泌し、上皮の保護などに関与する。その杯細胞の分布について検索を行った結果、新生児期、乳飲期では、空腸、回腸共に、吸収上皮細胞に混じって点在したが、離乳が進むにつれ、上皮に占める杯細胞の割合が増加し、それは特に回腸で顕著であった。
離乳期において、吸収上皮細胞の膜系の変化、終末消化酵素ならびにトランスポーターの局在部位の変化、さらに杯細胞(粘液)の増加によって、食形態の変化に対応していることが考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular morphology of the digestive tract; macromolecules and food allergens are transferred intact across the intestinal absorptive cells during the neonatal- suckling period2007

    • 著者名/発表者名
      Fujita M, Baba R, Shimamoto M, Sakuma M, Fujimoto S.
    • 雑誌名

      Med Mol Morphol 40

      ページ: 1-7

    • 査読あり
  • [学会発表] 乳飲期回腸吸収上皮細胞におけるエンドサイトーシスの膜系と細胞骨格の関連2007

    • 著者名/発表者名
      馬場良子、佐藤永洋、土肥良秋、藤田 守
    • 学会等名
      医学生物学電子顕微鏡技術学会 第23回 学術講演会および総会
    • 発表場所
      北九洲・国際会議場
    • 年月日
      2007-05-20
  • [図書] ビジュアル解剖生理学2007

    • 著者名/発表者名
      藤本 淳監修、藤田 守、土肥良秋編集、粟生修司、飯田 弘、井上真澄、江島邦彰、太田啓介、岡本圭史、小路武彦、柴田洋三郎、長島聖司、中村桂一郎、馬場良子、菱川善隆、山木宏一
    • 総ページ数
      404
    • 出版者
      NOUVELLE HIROKAWA

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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