研究概要 |
1.2008年8月にマレーシア・クアラルンプールで開催ざれた第14回アジア地区家政学会議のシンポジウムにおいて発表を行った。本報告は,Human Resources for Food and Agriculture Education in Japan after World War II-Examination from the Gender Viewpointと題し,現代日本の「食農教育」における人的資源に関わる資料と統計データを用い,ジェンダー統計として加工・分析して状況を把握し,課題を明らかにした。その結果,食農関連分野において女性の活躍も見られるが,男女の割合をみると偏りがみられ,報酬・無報酬労働の両面で性別役割分業が顕著であった。食農関連分野においては,女性の職業的自立が可能となるような「食農教育」の推進が必要であると結論づけられた。 2.第55回日本農村生活研究大会(2007.11)において,粕谷美砂子,天野寛子の連名で,「農業の多面的機能を担う農業者夫妻のワーク・ライフ・バランス能力について-畜産農家家族のエンパワーメント視点からの事例分析-」を口頭報告した。本報告は,2006年9月にX県において実施した畜産農家家族(H家)の聞き取り事例調査結果の一部及び追加調査として実施した,H家経営主妻Sさん夫妻・後継者夫妻に連続7日間の生活時間調査結果を分析したものである。H家が「家族経営協定」の見直しを行ったことにより,「家族経営協定」が家族農業経営における「ワーク・ライフ・バランス」を実現するために有効であり、ひとつのツールとなり得ることがわかった。 3.天野寛子・粕谷美砂子の共著として『男女共同参画時代の女性農業者と家族』(ドメス出版)を出版し,5章「家族経営協定の締結者は生活をどう考えているか-2004年、2005年に実施したパートナーシップ調査結果」(pp.141-196)を分担執筆した。
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