研究概要 |
1. 一貫教育校の連続性を活かす汎用的且つ有効な実習カリキュラムの一つとして、中・高・大学生の合同による夏期生物臨海実習を提案し、平成18年度より実行している。本年度は、これまでの実習で得た課題である実習メニューの構成や時間配分について、更なる改善を加え、全行程を通じて参加者が体力的にも無理無く取り組み、且つ高い学習効果が得られる実習となった。試行段階という関係上、これまでは多くの人員を要していた指導スタッフの人数についても、配置を工夫することで削減出来る可能性がみられ、本実習メニューが多くの学校でも実施出来得る汎用性の高い授業であることを見いだした。一貫教育校である應塾でわれたメニューはそのが有効性が評価されて慶應義塾未来先導基金「慶應義塾夏の学校」として採択され、引き続き実施されることとなった。 2. 平成18, 19年度に引き続いてショウジョウバエを用いた実習プログラムを実施し、統合的遺伝学学習教材としての確立を進めた。慶應義塾普通部(中学校)では、毎年度の2年生が行なう実習教材の一つとして継続して実施され、履修する生徒は「遺伝」についての理解を深めることが出来た。文科省特色GPのプロジェクトと連携した形で、慶應義塾大学の文系大学生を対象とした実習を本年度も実施した。実習で使用することとした翅形成不全変異体の原因遺伝子は不明であったが、相補性検定を中心とした解析と本年度の日本分子生物学での発表を得て、原因遺伝子を特定するに至った。
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