ドイツの持続可能教育(ESD)促進の国家的学校教育プログラムである「BLK-Programm"21"」と「Transfer-21」は、主に中・高等学校で展開されてきたが、現段階では初等教育レベルへの導入が進んでいる。持続可能性教育は、学校教育だけでなく、幼児教育、高等教育・職業教育、成人教育のすべての段階で実践されるべきである。そこで、本年度は、学校教育と生涯教育との関係性を見るため、学校教育の入口である幼児教育と、学校教育の出口である職業教育・大学教育における持続可能性の実践を調査した。調査方法は、ドイツでの実践の様子の現地視察、関係者へのヒアリング調査、関係資料や参考文献による文献調査である。幼児教育においては、他のEU諸国との連携プログラムが促進されており、幼稚園教諭自身の持続可能性教育への意識の高さを確認した。高等教育・職業教育では、教育改革に持続可能性の推進が進められており、様々な大学でその試みが見られる。本研究では、リューネブルグ大学において実践されている「総合的研究」のカリキュラムについて、大学関係者へのインタビューや、大学が出版した書籍から、その実態を明らかにし、くらしき作陽大学研究紀要第40巻第1号にまとめた。
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