本研究では、科学系博物館における学習資源を活用し、科学コミュニケータ(本研究では教育ボランティア、大学生・大学院生レベルの学生などが対象)と来館者との間のコミュニケーションをより効果的にする科学コミュニケーションツールの開発・製作を行うことを目的としている。ここでは、科学系博物館展示に関する補助教材や学習プログラムを科学コミュニケーションツールとして、ツールの開発を科学コミュニケータ自身が行うところが特徴的である。また、開発した科学コミュニケーションツールの効果的な利用法および教育的効果の評価を行う。 今年度は、上述の研究の目的の中で、「科学コミュニケーションツールの開発・改良」に重点をおき、以下の内容を実施した。 1.専門家との打ち合わせ及び資料収集:科学コミュニケーションツールの開発・製作における準備のため、研究者などの専門家との打ち合わせおよび資料収集を行った。 2.科学コミュニケーションツールの開発[製作・改良]:1年次に続き科学コミュニケータの開発チームを作り、以下のテーマに関する科学コミュニケーションツールの開発を進めた。特に、1年次に試作したものについて展示室等での実践を繰り返し、本格的な活用へむけた開発・改良を行った。 ・常設展示と関連させたテーマ:光の3原色、地震、鏡、磁石、宇宙・天文、歯車、南極の生き物 3.研究取りまとめ:科学コミュニケーションに関する学会等で発表するとともに、情報交換を行い、実践した内容を広めるとともに、得られた調査データにより、次年度に向けて課題を明らかにした。
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