研究概要 |
本研究ではWebページが更新された際に,更新前のページに書き込まれたアノテーションの位置を, 更新後の教材に追随するシステムを開発し, 主に以下のことについて研究を行った. (1) 書き込み位置追随手法 アノテーションの位置情報として, 物理的な「何段落目の何文字目」という情報に加えて, アノテーションが付けられた文字列および, 前後の名詞を含めた. オリジナルのWebページに更新があった場合, まず, キャッシュに残された更新前のページから, 本来書き込みが付けられた段落の文字列を取得する. 次に, 取得した文字列と更新後のWebページの各段落との類似度を算出し, 最も高い類似度を持つ段落を書き込みが付けられていたであろう段落とする. 最後にこの段落内にアノテーションが付けられた文字列と同じ文字列を探し, その前後の名詞の一致度からアノテーションの移動先として最適な位置を推定する. 本手法の精度を確認するために行った実験においては, 実際の学習者が更新前のWebページ(11ページ)に書き込んだアノテーションに対して, 移動が必要となった375のアノテーションに対して, 348(92.8%)のアノテーションを正しい位置に移動することができた. (2)利用環境によるシステムの検証・改善 開発したシステムが, 様々なユーザのもとで利用可能であるかどうかを確認するために, 実際の講義において本システムを適用することによって, 様々な環境下におけるシステムの動作を検証し, 動作やユーザビリティに問題があればシステムの改善を行った.
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