1.17年度まで導入していたReCoWeb(Reflective Collaboration Web)を改良した。フリーソフトpukiwikiをベースにしたReCoWebに、教育実習経験のビデオクリップを共有することができるように改良した。また、フリーソフトウェアの「動画眼」と組み合わせて、ビデオデータの該当部分(時間軸)に対して学生が入力したコメントをReCoWeb上で共有させ、参照比較吟味を可能とした。 2.研究対象授業の履修学生を対象に教育実習場面をビデオで撮影し、Web上で共有、自由に振り返り可能にするため電子化した。 3.3年生対象「学習科学」(受講生9人)にて授業実践評価を行なった。授業教材として過去授業のプリント書き込み、概念地図作成をスキャナで電子化したのに加え、ビデオデータを電子化し、それぞれReCoWeb上で参照可能にした。授業では学生はそれらのコンテンツを意識的に振り返り、実習経験と過去文献資料から学んだ学習理論とを統合する活動を行った。授業実践後、ReCoWebのログデータ、レポート内容、授業ビデオ記録等を分析した。レポート分析の結果、学習者全員が過去の授業で学習した文献資料と教育実習経験を横断的に関連付けながら言及できるようになった。また、教育実習で比較的の質の高い経験をした学生は、より深いレベルでの学習理論との統合が実現できていた。これらの成果を元に、次年度の実践では、理論と経験の統合内容についてシステム上で互いに比較参照する機会を導入するなどして、受講生全員がより高度な知識統合が可能になる授業におけるシステム利用を検討し実施する予定である。 4.日本認知科学会、International Conference of Cognitive Scienceの場で中途成果等を発表した.また静岡大学教育学部附属教育実践総合センター紀要に成果をまとめた。
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