研究概要 |
教師は,教科内容,教授方法,学習者に関する知識が統合された複合的な知識をもつことが求められる.研究代表者らは,社会的相互作用しながらデジタル・ティーチング・ポートフォリオを作成することが,作成者のリフレクションを促進し,授業に関する複合的な知識を形成させるために大きな力を発揮するのではないかと考え,平成14年度より継続的に実践研究を進めてきている.そこで,比較的容易にデジタル・ティーチング・ポートフォリオが作成でき,かつ相互交流するための機能を兼ね備えたweblog(以下ブログ)について検討し,ブログを使ってティーチング・ポートフォリオを作成する授業を実践・評価することを目的した. 平成17度は,ブログ環境の構築を構築し,教員養成大学において,ブログを利用するティーチング・ポートフォリオ作成授業の計画・実施・評価した.ブログを利用したティーチング・ポートフォリオやコメント,事後調査を,質的.量的に分析した結果,ブログを用いることで,情報スキルの乏しい学生でも比較的容易にデジタル・ティーチング・ポートフォリオを作成でき,その効果は従来のデジタル・ティーチング・ポートフォリオと比べて遜色のないものであることがわかった. そこで平成18年度は,現職教師の場合も,ブログを利用したティーチング・ポートプォリオ作成が可能であり,かつ有効であるのかについての検討を行った.現職教師がデジタル・ティーチング・ポートフォリオを作成する活動とそのためのブログ環境を設定し,実践,評価した.実践では4名の現職教師が授業についてブログに書き込みを行った.実践に参加した現職教師へ行ったインタビューから,本ブログ環境はおおむね使いやすいものであり,活動は授業の振り返りに役立っことがわかった.
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